ダチョウ目 Struthioniformes ヒクイドリ科 Casuariidae

ヒクイドリ Southern Cassowary [Casuarius casuarius]
Southern=南の。Cassowary はマレー語での呼び名に由来。
TL 140-180 cm

北部クイーンズランドを代表する大型の飛べない鳥。大きなトサカと青い裸部、赤い肉垂が目立つ。基本的に果実食でなわばり内を広範囲に移動しながら採餌する。大きな果実を丸呑みにすることから雨林の植物の種子散布に重要な役割を果たしている。重低音の振動のような声で鳴く。

生息環境:雨林。その周辺の草地、海岸、住宅地などにも姿をあらわす。オーストラリアの個体数は2015年時点で4300羽程と推定されている。

類似種:なし。

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成鳥オス。雌雄同色。メスは一回り大きく、裸部が鮮やかで、トサカや肉垂なども大きい。


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成鳥メス(右)とオス(左)。オスは尾が長い傾向があり、特に歳を取った個体で顕著。


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前々年生まれの若鳥。頭部が成鳥に近づいている。


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前年生まれの若鳥。体羽は薄茶ー黒。頭の裸部は小さく淡色。トサカは小さい。完全な成鳥羽になるには数年かかる。


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生後3ヶ月ほどの幼鳥。白黒の縞模様。顔と脚は黄色い。抱卵や育雛はオスのみで行い、9ヶ月ほどで巣立つ。


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卵。はっきりとした巣は作らない。オスのみで抱卵・育雛を行う。



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右足。特に内側の爪が長い。



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体羽。



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痕跡と化している翼の羽。



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道路を横断する。特に若い個体で交通事故が多い。


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ヒクイドリのフン。種子を多く含む。雨林の植物の種子の多くはヒクイドリの体内を通過することで発芽率が上がるといわれていたが、実際には消化云々は関係が無く、フンという環境内に置かれることで種子が発芽しやすくなると考えられている。