Birds of New Guinea: Including Bismarck Archipelago and Bougainville



うちの会社のオーナーPhil Gregoryによるニューギニア図鑑。丁度ニューギニア鳥類の分類改訂が入ったため、出版が遅れましたがようやく。 図版は Handbook of the Birds of the Worldのものを流用していますが、Philが気に入らなかった図版は描き直されています。 ハードブックですが、思ったより薄いので持ち歩きはさほど不便はないかと思います。 本人はニューギニアで10年ほど暮らし、ニューギニアのバードウォッチングツアーの草分け的存在です。今の現地ガイドも彼が見いだして育てたガイドも多いです。観察に基づいた記述はフィールドで役に立つと思います。

The Australian Bird Guide (Princeton Field Guides)



いまオーストラリアの鳥図鑑を一冊選べといわれれば、これでしょうね。 科なり待ち望まれていた、「近代的な」鳥図鑑。ようやくといった感もあります。雄雌幼鳥飛翔、亜種などを網羅しています。珍鳥迷鳥もとにかく入っているので大きくて重い。サイズだけが不満といったところ。新しい知見も多く、これからはこれがスタンダードになるでしょう。

Birds of New Guinea (Princeton Field Guides)




長く不在だったニューギニア鳥図鑑。ようやくの改訂新判。旧版は中古で10万以上の値がつく状態でしたが、これで図鑑不足も解消されるでしょう。全体として図版がやや古くさい感じ。妙にシギチの図版のできがよいです。ズクヨタカの図版が難ありといったところ。結構な厚さですが、後半分はテキストによる解説ページなので私は切り分けて使っています。

The Slater Field Guide to Australian Birds




 1984年初版発行。15.5cm×22.0cm×2.8cm。ついに全面改訂版が登場。旧版の誤植がそのままだったりもしますが、全般的にアップデートされています。図版が変だったところとかも結構直ってます。でも右ページに時々ある写真とかのアーティスティックな挿絵は無くても良かった。どうせなら空白にしてくれたらメモがかけてよかったのに。分布図と猛禽の飛翔図が白黒なのは旧版と変わらず。特に海鳥はかなり改訂されており、使用に耐えるようになった。  掲載は分類順ではなく、「似た鳥」をまとめてある。ただ「生息地ごとにまとめよう」と「似た鳥でまとめよう」という企画がどうもかみ合って無いようで、同じ鳥を2回掲載したり、全く同じページが繰り返されていたり。混乱が見られる。無理しないで分類順にしてくれた方があとあと楽な気がする。実際、予習として見ているには良いが、野外で使う場合にどこにどの鳥がでているのかが掴みにくく使いにくい。これは使用を重ねる毎に気になってくる。  分類は新しめ。解説文中で触れているものは図版でもきっちり描いてくれればありがたかった。でもワタリアホウとか、わけて描くのは現状無理か。別件で描いた図版を流用してる部分がやっぱりちょっと浮いてる感じ。多少の問題はあるが全体的にはとてもよくできている。普通に鳥見に行く分には大きいほうの図鑑は必要ないかなと。でも旧版に比べて1.5倍重くなっているので、もうズボンのポケットには入れられない。

ケアンズ生き物図鑑



2008年初版発行。15cm×21cm×0.8cm『「自然好きなら一度は訪れたい、ケアンズの生き物ガイド決定版!オーストラリアの北東部に位置し、グレートバリアリーフと世界最古の熱帯雨林の2つの世界遺産をもつことで有名なケアンズは、まさに生き物の宝庫。本書は、ケアンズで動物観察のツアーガイドを10年以上務め、現地の自然に精通した著者が、ケアンズ市街から日帰りで行ける範囲で見られる生き物のうち、比較的、観察する機会の多いものを掲載。昆虫、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類を、特徴をしっかりとらえた生態写真と、わかりやすい解説文で紹介。また、巻末にはおすすめの自然観察地を厳選して取り上げた。この1冊で、ケアンズの自然への興味が広がり、生き物の観察がずっと楽しくなる。」』という本を書きました。よろしくお願いします。

The Complete Guide to Antarctic Wildlife: Birds and Marine Mammals of the Antarctic Continent and the Southern Ocean



第1版はタイトルで購入リストから外していたが、大失敗。 南極圏の鳥にかなりの量をさいていて、つまり、ほとんどのアホウドリ、ミズナギドリが紹介されている。特にアホウドリはいまのところ最新の分類にそって野外識別のポイントを紹介しているのはこれしかないのでは?いわゆるワタリアホウドリグループも、野外での識別を試みるポイントを解説してあったりする。構成は最近はやりの図鑑的イラストと生態の写真の組み合わせ。海鳥に興味がある人は必携といえる。難を言えば重さが1.5kgあること。

Fruits of the Australian Tropical Rainforest




植物好きには必携の書。大型本ででていたもののハンディ版。果実から検索するというおもしろい本。 ほとんどの果実がカラーの実物大で描かれており、不思議な形の熱帯の果実を眺めているだけでも楽しい。自然好きを自称する人の書棚にたいていは備わっている有名な本。  種数が多すぎて、結局全部をみていかないと同定できないのが難。

The Ants of Northern Australia




2000年初版発行。17.3cm×24.5cm×0.8cm。図鑑ではなく、オーストラリア北部のアリのハンドブックといった感じ。各属の代表的な種をカラーで描いた図版が7ページある以外はすべて線画。  中身は各亜科、属の特徴や分布などの説明の他は、ほぼ全部が検索表となっている(種の同定はおよそ不可能なので、属まで)。かなり薄い本だが、込められている情報は相当なもの。アリの分類に興味があれば必携であろう。当然と言えば当然だが、野外での識別には向かない。

Guide to Australian Moths




2007年初版発行。15.0cm×21.5cm×1.3cm。  オーストラリアのガの概略をおさえた写真図鑑。オーストラリアのチョウが約400種なのに対して、ガは3万種ともいわれており、当然このサイズにはおさまらない。掲載されているのは各科の概略となっている。  400枚ほどの写真が使用されており、よく見られる種類は掲載されているがやはり物足りない感じは否めない。  トピックス的な話も多く、オーストラリアのガの概観をつかむには役立つ。

A Guide to Australian Grasshoppers and Locusts




 2003年初版発行。22.5cm×28.5cm×3.2cm。かなり大判のオーストラリアのバッタ図鑑。直翅目の図鑑ではなく、タイトル通り掲載されているのはオンブバッタ科、バッタ科のみ。それだけでこの分量である。現段階でのほぼすべての種を網羅している。オーストラリアのバッタはほとんど分類が進んでおらず、種名はおろか、属名もついていない種が半数を占める。この図鑑ではあえて、そういった種も掲載されている。  1ページ1種掲載で、1種につき8~10枚の写真が掲載されている。一般的な構成は全体図、頭部2枚、尾端2枚、後脚2枚、Prosternal process。といった具合である。巻末には別に幼虫段階の写真がまとめられている。種数が多いため、実際の同定にはかなり苦労する。  筆者は政府機関でバッタ類の研究をしていた人で、今までの成果を未来の研究者のためにまとめておきたいという熱意のもと、ほぼ自費出版に近い形でこの本を出版している。オーストラリアでは出版社が見つからず、ボルネオの出版社(自然関係の素晴らしい書籍をいくつも出版している)にて出版されている。1000部刷ったが、おそらく増刷することはない。と語っていた。

The Complete Field Guide to Dragonflies of Australia



 2006年初版発行。15.0cm×21.5cm×2.0cm。一般的な左ページ解説、右ページ図版の作りの写真図鑑。昆虫図鑑必携の一冊。  自然状態で撮った写真と標本写真が半々といったところ。ただどちらもやや写真が不鮮明な感がある。特に標本写真は色も褪せておりやや難がある。  解説は簡潔。細かい識別点は線画で補完している。当たりまえといえば当りまえだが、野外観察では確認できない識別点が多い。 体長を「Large、Small」などで表記しているのはどうかと思う。しかしコンパクトにまとめられており利用価値は高い。正直他に選択肢が無いともいえる。巻末には検索表もついているが、絵合わせで見たほうがてっとり早い。

Grasshopper Country: The Abundant Orthopteroid Insects of Australia : Orthoptera, Grasshoppers, Katydids, Crickets, Blatiodea, Cockroaches, Mantodea, Mantids, Phasmatodea




1996年初版発行。19.5cm×27.0cm×3.0cm。「バッタの国」といったタイトルだが、狭義の意味でのバッタではなく、コオロギ、キリギリス、バッタ、カマキリ、ゴキブリ、ナナフシ、カマドウマ 等を含めた広義の直翅目を押さえた図鑑となっている。  各目の説明から科、属、種への検索表、それぞれの解説、などよくまとまっており、利用価値も高い。掲載されている種数そのものはあまり多くないが、膨大な種類が暮らす熱帯雨林のこと、属まであたりがつけばたいしたものである。この本が出版された10年前と現在では確認されている種数は数倍になっているそうだ。それでも、分類の基本を知る上でもこの本の価値は薄れることはない。写真、図版ともきれいで興味深く、見ていて飽きない。

A Field Guide to Insects in Australia



 1995年初版発行。14.5cm×23.0cm×1.4cm。図鑑というより、小冊子といえる分量だが、オーストラリアの昆虫図鑑を一冊選んでほしいといわれれば、迷わずこれを選ぶ。  シミやトビムシといったあたりから、チョウ、ハチなどまで一通りの昆虫を科別に紹介している。それぞれの科には、科の説明と、主な属の説明が含まれ、代表的な種が写真で紹介されている。  この分量でそれだけ網羅しようとすれば、当然解説はかなり簡素なものになる。実際そうなのだが、ではなぜこの図鑑を一番に推すのかといえば、掲載されている種の選定が絶妙で、実際野外で見かけて、気になった昆虫のかなりものが掲載されている。使えば使うほどに、種選定の妙にただ驚かされるばかりである。最もこれは筆者がケアンズ近郊在住ということもあり、ケアンズ以外で使用する場合は、ただの概略書にしかならないのかもしれない。

Field Guide to Australian Reptiles




オーストラリアの爬虫類を網羅した写真図鑑。おそらく飼育下の動物を撮影したものも多く、写真が大きく見やすい。このシリーズは読み物的要素が強いのが特徴だが、これに関していえば、写真を大きくとったぶん、文字はかなり少ない。また視覚的なわかりやすさを考慮し、生息環境、食性、繁殖などを表形式で記載しているが、余計なスペースをとるわりに情報量が少なくなってしまっている。特に生息地が限られているものは、その地域では普通に見られるものでも記載されていなかったりする。  いままで爬虫類の図鑑を持っていなくて、とりあえずオーストラリアの爬虫類の本が、という人には、写真の見やすさと、固くない雰囲気から薦められる図鑑といえる。文字数も少ないので英文を読む苦労も少ない。

A Field Guide to Reptiles of Queensland



クイーンズランド州に絞った写真図鑑。一番利用している爬虫類図鑑。中古の値段がすごいことになっているが、ふつうに改訂新版がでているのでご安心を。

Field Guide to the Frogs of Queensland



クイーンズランド州のカエルに絞った写真図鑑。現状一番利用している図鑑。

A Field Guide to Frogs of Australia



「オーストラリアの」とタイトルはついているが、もっぱらシドニー周辺のカエルが中心。

Field Guide to the Frogs of Australia



イラストによるカエル図鑑。鳥図鑑や哺乳類図鑑で定評のあるFrank Knightによる図版ですが、さすがにジャンルが違いすぎたか?と感じる出来。情報量的に損はないのだけど、期待よりはやや、という感じ。

A Complete Guide to Reptiles of Australia



 

2003年初版発行。15.0cm×21.0cm×3.0cm。一般的な左ページ解説、右ページ図版の作りの写真図鑑。  オーストラリアの爬虫類を網羅した図鑑。オーストラリア全域をカバーするため、それぞれの種の扱いがかなりちいさくなっているのはいたしかたない部分か。  写真は一種一枚、個体差や状態によっても体色が変ってくる爬虫類においてはいささか情報が足りない。  解説はかなり簡略。線画で識別点を補完している種もある。  実際に使ってみても、同定の一歩手前、あたりをつけるくらいにしかならないことが多い。しかし、オーストラリア全体の爬虫類をこのサイズでカバーできる利点は大きい。

Field Companion to the Mammals of Australia

A Field Guide to the Mammals of Australia



 2001年初版発行。いわゆる鳥のフィールドガイドを使い慣れている人には一番みやすいだろうという図鑑。左ページ解説、右ページ図版の作りで、図版は鳥図鑑のFRANK KNIGHTと同じ人。いわゆる左向きの図鑑的なイラストで使いやすい。簡単な検索表も備えており、コウモリやネズミの識別にも役立つ。  とりあえずオーストラリアの哺乳類の図鑑をひとつといわれれば、間違いなくこれをすすめる。

The Mammals of Australia



 1983年初版発行。現在は2008年発行の第3版。26.5cm×21.5cm×5.5cm。  写真図鑑だが、掲載されている写真は基本的に1種1枚であまり多くはない。その分テキストでの情報が豊富。特徴、生態、分布に限らず亜種レベルの情報や学名の読み、意味など、およそあらゆる情報が網羅されており、オーストラリアの哺乳類を知る上での基本書となっている。予算とスペースが許すなら持っておくべき本。

Australian Mammals Biology and Captive Management



 2003年初版発行。現在はペーパーバック版が出ている。26.5cm×21.5cm×4.0cm。  オーストラリアの哺乳類の飼育法について書かれている本。こういったジャンルは日本でもあまり類を見ない興味深いものであろう。  コアラやカンガルーといったおなじみの動物はもちろん、カモノハシやハリモグラ、フクロモモンガ、オオコウモリなど一通りの哺乳類について説明されている。捕獲法や、持ち方、かかりやすい病気、エサ、ケージのデザインなど飼育書ならではの興味深い項目はもちろん、繁殖方法、性別、年齢の判定、寿命、行動など野外観察でも知っておいた方がよい情報も多い。  値段ははるが、オーストラリアの哺乳類について図鑑よりも踏み込んだ知識を求める人にとっては、1冊で一通りの動物が網羅されている点でかなりお買い得といえる。

TRACKS,SCATS AND OTHER TRACES - A Field Guide to Australian Mammals



1996年初版発行、現在は改訂版。  オーストラリアの哺乳類の足跡のイラスト・写真、糞、分布図、頭骨、巣穴などを紹介。糞の写真は基本的に実物大、足跡にもきちんとスケールがはいり、かなり使える痕跡図鑑に仕上がっている。  オーストラリアでは哺乳類を実際に目視する機会も多く、逆に痕跡に目がいかないことも多いが、いざというときに役立つ。日本で哺乳類を見ていた経験があれば、むしろ痕跡からの方が安心して、はいっていけるかも。哺乳類好きなら眺めているだけで楽しめる図鑑。

GRAHAM PIZZEY&FRANK KNIGHT THE FIELD GUIDE to the BIRDS OF AUSTRALIA



 順調に改訂を重ねるオーストラリアの鳥図鑑の定番。  SIMPSONと双璧をなす図鑑だが、さらに大きく重いので持って出るには辛い。SIMPSONを「フィールドガイド」とするならこちらは「鳥630」に似た雰囲気といえばわかりやすいだろうか。1980年初版発行、現在最新はこの第8版、2007年発行。16.0cm×23.5cm×3.3cm。  新しい分類を積極的に取り入れる傾向があるのか、版が変わるごとにかなり変更がある。  一般的な左ページ解説、右ページ図版の作り。ほとんどの種がいわゆる図鑑的な左向き、オス、メス、J、飛翔図、といった感じに統一されており非常に見やすい。実際にフィールドで使用するにはもっともわかりやすいイラストといえる。ただし、メリハリの利いたセル画のようなイラストは好き嫌いの分かれるところ。  解説文は他と比べると行動に関する記述が多く分量も多い。亜種についても記載されているが分布も図ではなく文章なので若干わかりにくい。  分布図は若干色分けされているが、基本的に季節移動などを読み取るに向かない。  8版になって、珍鳥迷鳥のたぐいがかなり追加されたが、ここの図版はお世辞にもうまいとは言えず、正直、オオルリやキビタキでページを増やさないでくれよ。と思ってしまう。

THE BIRDS OF PREY OF AUSTRALIA



 1998年初版発行。13.5cm×21.5cm×1.0cm。現在は改訂版が出ている。  猛禽類に絞った図鑑。全種を網羅した一般のフィールドガイドでは限られた図版しか載っていないので、サポートする意味で持っておくと良い。  解説ページとカラー図版はまとめて別になっている。性別、年齢ごとの図版になっているが、まとめてある分見にくい感じもある。  解説は一般的な猛禽図鑑同様、特徴・分布・飛翔形・繁殖行動・行動の特徴など。野外での識別に使うにはややむかないので、予め目を通しておいたほうがよい。そういった意味では情報量がやや少ないがこのサイズではしかたがないといったところ。

Field Guide to Australian Birds



2000年初版発行。17.5cm×25.0cm×3.0cm。一般的な左ページ解説、右ページ図版の作り。  イラストは性別、飛翔図など基本的な情報はしっかりと描かれているが、いかんせん、絵柄が一昔前の感じで、どうも馴染まない。全体的に淡い水彩のようなタッチで描かれていて特徴がつかみにくい。昔の学研のハンディ図鑑にこんな感じのがあったなぁ、と思う。ただこれは個人的な好みの問題なので絵柄が気にならない人には関係ない。  解説文もよくまとまっており、分布図もカラーで主な亜種については色分けもされている。巻末に繁殖期、繁殖方法についてのイラスト入りで解説がまとめてある。  現在内容をほぼそのまま小さくしたハンディ判が出版されているが、図版と解説が左右に分かれていないので使いにくい。iPhone用のアプリも公開しており、利用者は多い。

The New Atlas of Australian Birds



2003年初版発行。22.0cm×32.0cm×5.0cm。オーストラリアの野鳥の会の発行。1ページ1種で過去10年のオーストラリアの鳥の観察記録がまとめられている。データは全体・季節別・繁殖記録の6枚の図版でまとめられており、見やすい。 あくまでデータをまとめたものなので、必要な内容はここから読み取る必要がある。また亜種についての記載はない。一般会員からの観察をまとめてこういったものが出版されるということ自体も興味深い。

Simpson & Day FIELD GUIDE to the BIRDS of AUSTRALIA



オーストラリア図鑑の定番。亜種の解説も詳しい。