A Field Guide to Insects in Australia



 1995年初版発行。14.5cm×23.0cm×1.4cm。図鑑というより、小冊子といえる分量だが、オーストラリアの昆虫図鑑を一冊選んでほしいといわれれば、迷わずこれを選ぶ。  シミやトビムシといったあたりから、チョウ、ハチなどまで一通りの昆虫を科別に紹介している。それぞれの科には、科の説明と、主な属の説明が含まれ、代表的な種が写真で紹介されている。  この分量でそれだけ網羅しようとすれば、当然解説はかなり簡素なものになる。実際そうなのだが、ではなぜこの図鑑を一番に推すのかといえば、掲載されている種の選定が絶妙で、実際野外で見かけて、気になった昆虫のかなりものが掲載されている。使えば使うほどに、種選定の妙にただ驚かされるばかりである。最もこれは筆者がケアンズ近郊在住ということもあり、ケアンズ以外で使用する場合は、ただの概略書にしかならないのかもしれない。