昆虫

ケアンズ生き物図鑑



2008年初版発行。15cm×21cm×0.8cm『「自然好きなら一度は訪れたい、ケアンズの生き物ガイド決定版!オーストラリアの北東部に位置し、グレートバリアリーフと世界最古の熱帯雨林の2つの世界遺産をもつことで有名なケアンズは、まさに生き物の宝庫。本書は、ケアンズで動物観察のツアーガイドを10年以上務め、現地の自然に精通した著者が、ケアンズ市街から日帰りで行ける範囲で見られる生き物のうち、比較的、観察する機会の多いものを掲載。昆虫、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類を、特徴をしっかりとらえた生態写真と、わかりやすい解説文で紹介。また、巻末にはおすすめの自然観察地を厳選して取り上げた。この1冊で、ケアンズの自然への興味が広がり、生き物の観察がずっと楽しくなる。」』という本を書きました。よろしくお願いします。

The Ants of Northern Australia




2000年初版発行。17.3cm×24.5cm×0.8cm。図鑑ではなく、オーストラリア北部のアリのハンドブックといった感じ。各属の代表的な種をカラーで描いた図版が7ページある以外はすべて線画。  中身は各亜科、属の特徴や分布などの説明の他は、ほぼ全部が検索表となっている(種の同定はおよそ不可能なので、属まで)。かなり薄い本だが、込められている情報は相当なもの。アリの分類に興味があれば必携であろう。当然と言えば当然だが、野外での識別には向かない。

Guide to Australian Moths




2007年初版発行。15.0cm×21.5cm×1.3cm。  オーストラリアのガの概略をおさえた写真図鑑。オーストラリアのチョウが約400種なのに対して、ガは3万種ともいわれており、当然このサイズにはおさまらない。掲載されているのは各科の概略となっている。  400枚ほどの写真が使用されており、よく見られる種類は掲載されているがやはり物足りない感じは否めない。  トピックス的な話も多く、オーストラリアのガの概観をつかむには役立つ。

A Guide to Australian Grasshoppers and Locusts




 2003年初版発行。22.5cm×28.5cm×3.2cm。かなり大判のオーストラリアのバッタ図鑑。直翅目の図鑑ではなく、タイトル通り掲載されているのはオンブバッタ科、バッタ科のみ。それだけでこの分量である。現段階でのほぼすべての種を網羅している。オーストラリアのバッタはほとんど分類が進んでおらず、種名はおろか、属名もついていない種が半数を占める。この図鑑ではあえて、そういった種も掲載されている。  1ページ1種掲載で、1種につき8~10枚の写真が掲載されている。一般的な構成は全体図、頭部2枚、尾端2枚、後脚2枚、Prosternal process。といった具合である。巻末には別に幼虫段階の写真がまとめられている。種数が多いため、実際の同定にはかなり苦労する。  筆者は政府機関でバッタ類の研究をしていた人で、今までの成果を未来の研究者のためにまとめておきたいという熱意のもと、ほぼ自費出版に近い形でこの本を出版している。オーストラリアでは出版社が見つからず、ボルネオの出版社(自然関係の素晴らしい書籍をいくつも出版している)にて出版されている。1000部刷ったが、おそらく増刷することはない。と語っていた。

The Complete Field Guide to Dragonflies of Australia



 2006年初版発行。15.0cm×21.5cm×2.0cm。一般的な左ページ解説、右ページ図版の作りの写真図鑑。昆虫図鑑必携の一冊。  自然状態で撮った写真と標本写真が半々といったところ。ただどちらもやや写真が不鮮明な感がある。特に標本写真は色も褪せておりやや難がある。  解説は簡潔。細かい識別点は線画で補完している。当たりまえといえば当りまえだが、野外観察では確認できない識別点が多い。 体長を「Large、Small」などで表記しているのはどうかと思う。しかしコンパクトにまとめられており利用価値は高い。正直他に選択肢が無いともいえる。巻末には検索表もついているが、絵合わせで見たほうがてっとり早い。

Grasshopper Country: The Abundant Orthopteroid Insects of Australia : Orthoptera, Grasshoppers, Katydids, Crickets, Blatiodea, Cockroaches, Mantodea, Mantids, Phasmatodea




1996年初版発行。19.5cm×27.0cm×3.0cm。「バッタの国」といったタイトルだが、狭義の意味でのバッタではなく、コオロギ、キリギリス、バッタ、カマキリ、ゴキブリ、ナナフシ、カマドウマ 等を含めた広義の直翅目を押さえた図鑑となっている。  各目の説明から科、属、種への検索表、それぞれの解説、などよくまとまっており、利用価値も高い。掲載されている種数そのものはあまり多くないが、膨大な種類が暮らす熱帯雨林のこと、属まであたりがつけばたいしたものである。この本が出版された10年前と現在では確認されている種数は数倍になっているそうだ。それでも、分類の基本を知る上でもこの本の価値は薄れることはない。写真、図版ともきれいで興味深く、見ていて飽きない。

A Field Guide to Insects in Australia



 1995年初版発行。14.5cm×23.0cm×1.4cm。図鑑というより、小冊子といえる分量だが、オーストラリアの昆虫図鑑を一冊選んでほしいといわれれば、迷わずこれを選ぶ。  シミやトビムシといったあたりから、チョウ、ハチなどまで一通りの昆虫を科別に紹介している。それぞれの科には、科の説明と、主な属の説明が含まれ、代表的な種が写真で紹介されている。  この分量でそれだけ網羅しようとすれば、当然解説はかなり簡素なものになる。実際そうなのだが、ではなぜこの図鑑を一番に推すのかといえば、掲載されている種の選定が絶妙で、実際野外で見かけて、気になった昆虫のかなりものが掲載されている。使えば使うほどに、種選定の妙にただ驚かされるばかりである。最もこれは筆者がケアンズ近郊在住ということもあり、ケアンズ以外で使用する場合は、ただの概略書にしかならないのかもしれない。